平和都市モンゴリアンダイナマイト

映画の感想を1割と自分語り9割なので評価の参考にはなりませんが、読んで欲しい。 致命的ネタバレはしないように気をつけてます

劇場版 世界でいちばん強くなりたい!count1 (2023)

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アニメ最終回から半年後、萩原さくら(CV竹達彩奈)と宮澤エレナ(CV阿澄佳奈)が4回目のタッグ王座防衛戦に勝利した瞬間に事件は起こった。自らを「ベルセルクマスク」と名乗る紫の覆面選手が突如乱入し、さくらをリング外に投げ飛ばしたのだ。マイクを握り、「世界でいちばん強くなりたい、まだそれは終わっちゃいないんだろう?」宮澤エレナにそう語りかけるベルセルクマスクは、ブルーパンサーマスクを差し出す。

 

 

今回の記事は完全ネタバレオンパレードで行きます。作品のことしか語りませんので悪しからず。

また、今回の記事はアニメ「世界でいちばん強くなりたい!」を全話視聴したうえで読むことをおすすめします。

 

本作は世界でいちばん強くなりたい!のアニメ放映から10年の記念に作られた作品。三部構成となっており、今回紹介する「count1」はその一作目にあたります。

作品のあらすじは、風間璃緒扮するベルセルクマスクが萩原さくら含む全選手、そしてぬるま湯のような現状のベルセルクのリングそのものに対して宣戦布告し、タッグトーナメント開催を提案する。(ベルセルク事変)その時に自分のパートナーとして宮澤エレナ=ブルーパンサーを指名。エレナはその場でブルーパンサーとなる。セコンドで見ていた福岡萌は激昂しベルセルクマスクを強襲するが、散々に反撃を受けた上、弄ぶかのようにスリーパーで失神させられてそのままその日の興行は終わる。その後タッグトーナメントが開催され、萩原さくら・福岡萌組の結成と兇悪同盟との試合、鈴本千夏・小宮山紅亜組の結成が描かれる。

世界でいちばん強くなりたい!という作品は魅力に溢れながらもアニメ原作ともに満足できる終わりを迎えた作品とは言い難く、ファンは続編の登場を待ちわびていたことだろうと思います。故に今回の劇場版は本当に嬉しいんだけど、だけど三部作って狂気か?これ本当に大丈夫か?

や、実はすごく面白くてBlu-rayを即予約してしまいました。来年の二部目も待ち遠しいんですよね本当に。せかつよでこんな感覚味わえるとは思いませんでした。ギブアップ!!

まず風間さんがめちゃくちゃワルくて強くてかっこいい。これが嬉しかったですね。アニメだとさくらにリベンジマッチで負けて以降性格も戦闘力も消しゴムみたいに丸くなっていって最後までまともに活躍せずに右肩下がりで終わったキャラだったんですけど。特にさくらとの三戦目のはずがブルーパンサー乱入でそのまま失神させられるところとか滅茶苦茶に雑魚オーラ出てましたよね。豪鬼登場後のベガ、シャドームーン復活後の剣聖ビルゲニア、悪魔超人編開幕のウォーズマン。ギブアップ!!。しかし今作、アニメで散々な目に合わされた生意気娘福岡萌をめっちゃ余裕顔でボッコボコにして「空手だか何だか知らないけどプロレス舐めてんじゃないよ!このおちゃらけど素人が!」と一話を彷彿とさせる謎語彙罵倒を言いながらスリーパーで失神させてしまうんですよ。かっけえ…。それもただボコしてるんじゃなく、風間さんが空手の動きを完全に把握してメタ張ってるのが分かるような描写なのも素晴らしかったです。アニメ時代の黒歴史を無かったことにせずに今回の強さの説得力に変えたのは良かった。とにかく、製作側の「あの最強だった風間さんの復活を」がひしひしと感じられました。これだけで見にきた甲斐がありますよねー!ギブアップ!!

次にさくらと萌のタッグ、チェリーボムズの結成。これはほとんど福岡萌パートでしたね。アニメではワンクール作品ながら8話顔見せ9話試合と、いくら最年少プロデビュー天才格闘センス持ち主人公すきすきCV金元寿子のようなキャラ性の塊でもまともに立ち回るには登場が遅すぎました。半ば風間さんがの雑魚度を上げるための存在みたいになってましたよね。そんな福岡萌が今作では最年少故の苦悩やジュニア空手チャンピオン故のしがらみに打ちのめされる姿を描きます。アニメにおいてはあやふやだった「格闘技としてのプロレスと空手の明確な違い」もしっかりと描かれていました。

エレナを奪われたさくらはすぐに萌とチームを結成し特訓に励むんですけど、やっぱり空手一本で突き進んできた福岡萌に振り回されるんですね。萌本人も明らかに空回り。実は萌も舞幻流空手のトップに君臨する家庭で生きてきた(アニメでは全くフューチャーされなかった設定)身であるためベルセルクマスクに蹂躙された数日後、その様子を報じた新聞を読んだ父から破門かプロレスかの選択を迫られていたのです。これはアイドルとプロレスの二択を迫られたさくらと被るのですが、どちらもやる、つまり両立を選んださくらのような決断はどうしても出来ずにいる自分に直面し、自信を無くしてしまっていました。

そしてこの後の試合描写、半ばヤケクソでプロレスラーの道を選んだ萌は空手完全封印で挑みますが、兇悪同盟のラフファイトにさくら共々劣勢を強いられます。そこで、そこでなんですけどまさかの兇悪同盟がめっちゃいい仕事するんですよ。アニメ放映時はただの悪役モブというか、高垣彩陽徳井青空が変な役やってる!みたいな感想だけが存在価値のキャラだったんですけど、なんとこの局面で福岡萌を救うのがこの二人なんですね。まさかのサプライズにテンションギブアップですよー!! 思うように動けずにさくらの足を引っ張ってしまい、数々のプレッシャーからフォールされながら泣き出してしまう萌をユンボ山本が見かねて、「別にプロレスをやらなくたってリングに上がっていいが、泣くなら家に帰んな」の一言を投げかけるんですよ。"プロレスをやらなくてもリングに上がっていい"この一言なんですね。レスラーになる前もなった後も、つまりリングに上がる前も上がった後もユンボとホーネットの兇悪同盟の2人はプロレスなどやっていなかった、ただただ「ワル」をやっていた。それで客が沸き、敵をぶちのめせれば勝手にここが居場所になる。竹刀と一斗缶を振り回しながらそれを無骨に福岡萌に教えます。凄く良い先輩だし、その姿は本人たちの言葉とは裏腹に果てしなく"プロレスラー"で、ここにきてまさかの兇悪同盟株爆上がりでした。

その後、兇悪同盟の引っ張り出してきたバットやら机やらを片っ端から空手の奥義で粉砕するイキイキとした福岡萌のシーンはめちゃ最高すぎましたね。

 

さて、そんなこんなの話と同時進行していたのが鈴元千夏と小宮山紅亜の2人のチーム結成。この2人もアニメではほとんどクローズアップされなかったのでこの展開は驚きでした。

風間の横にいつもいたはずの小宮山とさくらと横並びでスタートしたはずの鈴元は、自分達が実力不足故に蚊帳の外となってしまった事実を受け入れ、巨大感情をエネルギーにして特訓を開始します。そういえばこの2人、三森すずこ上坂すみれなんですよね…

と、こんな感じでした。来年公開の二部目ではおそらくこの蚊帳の外コンビとマスク組が戦うと予想されますが、アメリカ遠征中の豊田美咲がどのタイミングで動くかも気になるところです。

と、こんな感じでこれからが非常に楽しみになる大満足の一作目。不死鳥のように蘇ったコンテンツの今後が見逃せませんね!

 

超・絶・可愛いさ・く・らー!!!