平和都市モンゴリアンダイナマイト

映画の感想を1割と自分語り9割なので評価の参考にはなりませんが、読んで欲しい。 致命的ネタバレはしないように気をつけてます

レザボア・ドッグス(1992)

宝石強盗のために呼ばれた6人の男だが、失敗し生死もわからないまま皆散り散りになる。その時「俺たちの中に裏切り者がいる」の声が上がる。

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この映画は一年前にブックオフで1550円で見つけて買ってきた。ブックオフの中古DVD物色はもはや趣味となってて、大学生の頃は休日にいつも棚の前でアマゾンの値段と照らし合わせて少しでも安いと買っていた。

レザボア・ドッグスは有名な作品だったし、タランティーノ作品を見ることは映画好きが通るべき道であるなんてマヌケな考えも少しあって、見つけてすぐに買った覚えがある。

内容としては25年以上前のはずなのに斬新さを感じたし、あーこれがタランティーノのノンジェネリックなんだと感じて見終わった直後に二周目を再生した。すごく面白かった。

 

特にキャラクターがどれも良かった。魅力ある悪人がたくさん出てきて、皆に血が通っていた。中でもミスター・ブロンドというキャラをこの映画のファンは皆特に好きになるようで、俺も例にもれなかった。

 

ミスターブロンドが捕獲した警察をラジオから流れる音楽に合わせてカミソリでいたぶる名シーン。

あのシーンは本当にかっこよくて残酷で楽しそうで、もしギルティギアにミスターブロンドが参戦したら一撃必殺のモーションに採用してほしい。

 

俺は就職で北海道から東京に出てきた。勤め先は最初の3ヶ月は新宿。満員電車の地獄を3ヶ月も浴びた。

だから多分おかしくなったのかも知れない、俺は新入社員でありながら3ヶ月の間に4回寝坊して弊社に電話をかけて謝った。3ヶ月で4回も寝坊するなんて経験は今までの人生では一度もなくて、自分でもいくら対策をしてもどうしようもなかった。クソ野郎だな…

目覚ましが真横で鳴ってても音を認識しつつ鳴ってると感じず、なり終わるまで半覚醒で寝ていたりしたこともあったと思う。

最初はふつうに注意してた上司も3回目からは本気で心配したのか、生活習慣の改善の話をやめて余暇を楽しく過ごす手段や偉人の逸話みたいな話をしてくれた。

 

ツイッターにはこの遅刻のことは1回目以外書いてない。2回目以降ふつうにつらくて、自分で茶化す気にもなれなかったから。

俺はツイッターでは無神経で些細なことは気にも留めない奴でいたい。だから本気で辛いことは書けない。

俺は「カッコーの巣の上で」の記事でGを「常に何かを恐れている男」と形容したが、何故そう思ったかというと俺も同じタイプの人間で、Gほどひどくないにせよ多少なりとも気持ちが分かるから。他人に"嫌"を向けられるのが怖すぎて挙動がおかしくなる事 よくある。

ツイッターではそんな感じになるの絶対やだ。

最近それでインターネット・他人を嫌な気分にさせてることがよくある。申し訳ございません…

でも多分これは治らないと思います

 

話を地獄に戻す

満員電車は乗ってる人間全員が迷惑そうな表情を周囲に向けている。俺にも。俺も俺以外全員を消したいと思って乗る。

満員電車そのものが全員が加害者で被害者の人的災害だと思う。本来電車ってこういう乗り物じゃないですよね。間違った乗り方ですよ、日本人の皆さん。

こんなに肉体も精神も30分足らずで強く疲労する災害を毎日2回ずつ体験して、本当に地獄だった。地獄として書物に記載して後の世に伝えてほしい。死後に悪人が経験するはずのことを生前の人間に体験させるな。じごくのそうべえみたいに地獄を楽しむことができる人間になりたかった。

ただ狭いところに押し込められるだけならいい、でも見知らぬ不機嫌な人間でぎゅうぎゅうになった箱に詰められて揺すられるのは絶対に嫌だ。後ろに背中合わせで立ってた一人の太ったメガネの男がこの地獄に耐えられなくなったのか、俺に突然2度肘打ちを仕掛けた後「もっと前に行けよ!」と怒鳴りつけてきたこともあった。怒鳴りつけてくる生きた壁に囲まれてる。北海道にはこんなのなかった。

 

まあ、

本当に満員電車 というか人混みが苦手です…

 

楽しさがほしい。

ミスターブロンドがカミソリで警官の顔面を斬りつけるシーンは楽しさをくれる。でもレザボア・ドッグスのDVDは実家に置いてきた。俺はたまらなくあのシーンが見たくなってどうしようかと考えた結果あのシーン中に流れてくるBGMを買うことにした。f:id:abaransyu:20180918123857p:image

この曲を聴くと楽しくなるから満員電車も楽しくなるだろうという短絡的且つ非合理的な発想で「楽して安らぎゲットしたい」と実行された俺の行為は、かくして4度目の遅刻によって打ち砕かれた。

新しいおもちゃを買ってもらった子供のように何度も曲を聴いて楽しくなったが、それだけだった。

地獄をなめるな。お前はこの曲を流せばミスターブロンドが踊りながら現れて周りの奴らをカミソリでやっつけてくれるとでも思ったのか。

やはり暴力では何も解決しなかった。

でもこの曲は…レザボア・ドッグスを見た後に聞くこの曲には、精神が追い詰められた時に本気ですがりたくなるような魅力がある。

タランティーノ監督の映画はどれも使い方が独特で、特にこの作品では強いインパクトを感じさせてくれる。作品のキャラクターや展開に乗せて凄い勢いで見舞ってれる。

特殊な方向性なんですけども、すごく面白い映画ですよ。

 

まあ、Gに見せたらエンドロール直後に「これ何が面白いの?」って言われたし65の親父に見せたら「なんかやたらグロテスクだったな」とだけ言われたんだけどね…合わない人には本当に合わない感じです。

N.Oは絶賛してました。すき。

 

新宿から勤務先が変わり2ヶ月になる現在の通勤電車はいつもガラガラで寝坊も全く無くなった。でもやっぱりレザボア・ドッグスはすぐに見たい。引越しの際に置いて来た山のようなDVD、北海道から送ってもらわなきゃ